要求分析
ここでは、システム設計プロセスの中の一ステップにあたる要求分析について説明しています。
要求分析とは
「要求はどこからくるのか?」で示したとおり、要求を完全にユーザや顧客が要求を決められることはできません。ユーザ・顧客は実現したいことを大まかに記述することはできます。しかしながら、設計者が理解できる言葉になっていません。また、想定される総てのケースについての挙動の記述できているわけではありません。複数のユーザ・顧客がいる場合、それらのニーズが整合していない場合もあります。ユーザや顧客は、他のステークホルダ要求はわかりません。よって、要求分析によって、完全な要求に変換する必要があるのです。この際に、上述したような国、会社及びプロジェクトの環境も考慮する必要があります。
つまり、曖昧模糊とした顧客・ユーザのシステムに対する要望およびその他のステークホルダの要求から、設計者が理解できる言葉で記述された要求を作成するための系統的なプロセス・手法が要求分析なのです。
要求分析とは、ステークホルダの要求を、十分な「品質」をもった技術的仕様へと変換する作業のことといえます。
要求分析は、大きく分けて2つの作業に分かれます。一つは、対象のシステムと外部環境との境界を明確にする作業です。もう一つは、対象のシステム自体を明確に記述することです。
ANSI/EIA-632では図のような位置付けとなっております。