要求分析

ここでは、システム設計プロセスの中の一ステップにあたる要求分析について説明しています。

要求の定義

要求分析における「要求」どういったものであるのか。世界標準における「要求」の定義を示します。

(a) ANSI/EIA-632
製品が「何を、どれほどよく、どういった状態で」、与えられた目的を達成するかを決めるもの合意、計画、仕様のような標準となる文書

(b) IEEE1220
曖昧さがなく、テストあるいは計測が可能で、製品やプロセスを顧客あるいは内部の品質管理部門が受領に必要である、製品やプロセスの運用面、機能面、設計特性、制約を規定した文書

では、要求と設計の違いは何か?要求は"何(What)"を示すものです。一方で設計は"実現方法(How)"を示すものとなります。例えば、「人を米国に12時間以内に運ぶ」という要求に対して、「飛行機を使う」というのは設計結果となります。同様に、「空中で任意の方向に移動可能なこと」という要求を実現するために、「センサ、制御演算計算機、推進系を使う」というのは設計解となります。
世の中にはいろいろな可能性があります。この中で、要求を満たす集合というのは、必ずしも1つとは限りません。複数の可能性がある集合の中からなんらかの評価基準に照らし合わせて最も良いと思われるものを選び出すことが設計となります。

要求と設計


また、設計の結果は下位のシステムの要求となります。例えば、システム要求を元にシステム設計を実施いたします。その結果は、システム設計解ですが、サブシステムにとってはサブシステム要求となります。同様にサブシステム要求を元にサブシステム設計を実施いたします。その結果は、サブシステム設計解ですが、コンポーネントにとっては、コンポーネント要求となります。



要求と設計2

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